早朝の仕事に就いて二年が経つ。
毎朝四時に家を出て、近くの駐車場を抜けて駅に向かう。近道になるから。
気になり始めたのは、一ヶ月ほど前だった。
駐車場の角、一番奥のスペースに、白い軽自動車がいつも停まっている。毎朝同じ場所に、同じ車が。
最初は長期駐車の車かと思っていた。でも埃が積もっている様子がない。毎日きれいなのだ。
ある朝、ナンバープレートをメモした。
仕事帰りに軽く調べた。
その車のナンバーは、五年前に廃車登録されていた。
以来、一度だけ四時より少し早く行った。三時五十分。
駐車場の角に車はなかった。
四時になった瞬間、車が現れた。
エンジンもかかっていない。ヘッドライトも消えている。音もなく、そこにあった。
運転席に人影があった。こちらを見ていた。
その日から、遠回りをして駅に行くようにしている。