古い木製のデスクをフリマアプリで買った。

状態は思ったより良かった。傷はあるが、使いやすそうだ。引き出しを全部開けて中を確認した。

一番下の引き出しは奥が深かった。手を入れると、何かが触れた。

封筒だった。

差出人の名前が書いてあった。「坂本一郎」。宛先は書いていなかった。

開けていいものか迷ったが、開けた。

便箋が三枚。丁寧な字で書かれていた。

読み進めると、それが遺書だとわかった。家族への言葉、謝罪の言葉、感謝の言葉が書いてあった。

日付は十年前だった。

出品者に連絡した。「前の持ち主から引き継いだものです。名前は知りません」

「坂本一郎という方はご存知ですか」

「……なぜその名前を?」

「引き出しに手紙が」

長い沈黙の後、出品者は言った。「坂本さんは、そのデスクを使っていた部屋で亡くなっています。十年前に」

手紙は今も手元にある。どうすればいいのか、まだわからない。