四人で行った。私と、幼なじみの健太、彼女の美咲、もう一人の友人の翔。
海辺の廃ホテルは、地元では有名な心霊スポットだった。十五年前に廃業し、取り壊しも決まらないまま放置されている。
懐中電灯を持って中に入った。ロビーはほこりまみれで、フロントのカウンターが残っていた。
上の階に行こう、ということになった。階段を使って最上階の七階まで上がった。
窓から海が見えた。月明かりで波がきらきらしていた。
怖いものは何もなかった。拍子抜けしながら、記念写真を撮った。美咲のスマホで撮った、四人の集合写真。
一階まで下りて、写真を確認した。
五人写っていた。
私たち四人の後ろに、一人。黒い影のような人物が、こちらを見ていた。
その夜、四人全員が同じ夢を見た。海辺に立っていて、後ろから誰かに肩を叩かれる夢。振り返ると、誰もいない。
翌日、健太が言った。「俺、夢見た」。全員が顔を見合わせた。